第3回『人生の引きこもりから抜け出せない理由』

＜ナビゲーター：タケちゃん＞
こんにちは。

今日も人間心理学の授業を
お願いします。

前回、
欲求には大きく分けて

『本来の欲求』と『派生した欲求』

この2種類の欲求があるというお話でした。

私は会社員をやっていた時

会社を休みたい、とか
もう仕事したくない、とか
どこか旅行に行きたい、とか

そんなことばっかり
考えていたように思うのですが

それは派生した欲求だよ、

というお話を伺いました。

では

この2種類の欲求が
どういう風に分かれているのか？

というのを
今日は伺いたいと思います。

＜犬飼ターボ＞
​はい。

簡単にお伝えすると

本来の欲求というのは

やはり人間も生き物なので

「生きたい」というのが

ベースなんですよね。

そこから
確実に長く生きるために
どんどん欲求が成長して
発達していったんです。

1番ベースにあるのは
いわゆる『生存欲求』というもので

「今ご飯が食べたい」

とかいうものなんですね。

その辺から

安全がほしい、とか
つながりを感じたい、とか
自分を認めたい、とか

最終的には
「新しいことを行動したい」

と思うわけなんですけど

これが
“本来の欲求”と呼んでいる
『大元の欲求』なんですね。

で、

この欲求が満たされると
次の欲求が出てくる
ようになっています。

例えば
1番下の欲求が
分かりやすいのですが

お腹が空いている時って
ちょっと危険を冒してでも
食べ物を取りに行きますよね。

昔は食べ物がないから
狩りに出かけて行った

わけじゃないですか。

男たちは危険を冒して
狩りの途中で死んだりもしたわけです。
何人も犠牲が出たりも。

そうやって

ご飯がない時は
安全はそんなに

求めなかったんです。

それが

ちゃんと毎日
ご飯が食べられるようになると
危ないことはしたくなくなりますよね。

＜ナビゲーター：タケちゃん＞

それはそうですよね。

危険を冒さなくて済むなら

その方がいいですよね。

＜犬飼ターボ＞
だから
安全が欲しくなるわけなんですよ。

実は今の話が
欲求が成長した話なんです。

ご飯が食べられてると
安全が欲しくなるんです。

＜ナビゲーター：タケちゃん＞
なるほど。

ご飯が食べられないと、
「危険を冒してでも食べ物を取りに行こう」
になるわけなんですね。

＜犬飼ターボ＞

そうなんですよ。
そんなに安全を考えなくなるんです。

で、

どうやって
その欲求が成長したかと言うと

元は生存欲求しかなかったんです。

とにかく
なんでも良いから

ご飯を食べようとするわけなんです。

そこから
突然変異がおきました。

で、
その突然変異した個体は
“危ないところには近寄らない”
という行動をするようになったんです。

元々いたやつらというのは
ただ単にご飯を食べようとして
どこにでも行く生き物。

でも
新しく進化したやつらは

食べ物を取るんだけど
危ないところには近寄りたくない。

そうなった時に

どっちが生き残るか、なんですよね。

＜ナビゲーター：タケちゃん＞
それは危ないことを

しない方がいいですよね。

＜犬飼ターボ＞
そうなんですよね。

だからそうやって
危険を避けられるように

なった生き物が

生き残るわけです。

それが『安全欲求』なんです。

さらに次は
群れを作りたくなるやつらが
突然変異で現れるわけです。

そいつらは
群れで固まってるんですよ。

そこでまた

単独でいるやつと
群れでいるやつらは
どっちが死にやすいか

なんですけど。

＜ナビゲーター：タケちゃん＞
それは1人の方が危険ですよね。

＜犬飼ターボ＞
ですよね。

なんでかって言うと

例えば

肉食動物が誰を狙うかっていうと
単独でいるやつを狙うんですね。

群れから逸れちゃったやつとかを
狙うんですよね。

そういう風に
群れを作ると
狙われにくくなるんです。

生き残りやすくなるんですよね。

そんな風にして

欲求というのは
突然変異によって
だんだん生まれてきたんですよ。

だから
先ほど言ったように

ご飯を食べられるようになると
安全を求めたくなるし

安全を求めるようになって
安全が手に入ると

今度は
群れを作りたくなる。

この流れでやっていくと

最終的には

「行動したい」
「新しいことをしたい」

というところまで
いくようになるんです。

これが『大元の欲求』です。

これに対して
『派生した欲求』は
何かって言うと

“大元の欲求が満たされなかった時”に
マイナスの感情が出るんです。

例えば

安全欲求が満たされないと
怖くなりますよね。

＜ナビゲーター：タケちゃん＞
怖いです。

＜犬飼ターボ＞
不安になりますよね。

そうすると
その不安な気持ちを
解消するために
欲求が出てくる。

例えば
「外は怖いから家で引きこもっていたい」
みたいな。

で、

例えば

会社に行きたくない、というのも
会社だと人に責められるから怖い

だから
家でゆっくり休んでいたい
という感じですよね。

そうやって

そのマイナス感情から
それを解消するために
生まれてくる欲求というのを

『派生した欲求』と言っていて

それは
例えば家で引きこもっていても

手に入るのは

“怖くない”という状況であって

『安全安心』ではないんですよね。

＜ナビゲーター：タケちゃん＞

たしかにそうですね。

安心ではないですね。

＜犬飼ターボ＞
外の世界に出たら
どうせまた怖いことが待ってる。

会社に行ったら
またいじめられる。

っていうことだと

結局

欲求は満たされないで
マイナス感情が
なくなっているだけなんですよ。

＜ナビゲーター：タケちゃん＞

確かにそうですね。

会社に行きたくない、という時は

例えば

疲れている時に会社に行ったら
もっと疲れて
もっと気持ちが落ち込むから

それを避けるために
“休みたい”となってるわけですよね。

＜犬飼ターボ＞
そうですよね。

だから
家で引きこもっていても
欲求は成長しないんです。

安心を感じないから
不安がなくなっているだけで

言ってみれば
マイナスがゼロになっているだけで
プラスにいってないので。

＜ナビゲーター：タケちゃん＞

＜犬飼ターボ＞
そうなんですよ。

だからまずは
その大元の欲求は何かを
ちゃんと知ることが大事なんです。

＜ナビゲーター：タケちゃん＞

なるほど。

“休みたい”を満たしていても
実は何も成長しないし
何も良い方向にはいかない、みたいな。

＜犬飼ターボ＞
そうですね。

まぁ全く良い方向に
いかないわけではないですけどね。

そこから何か発見があったりして
人生が開けることもありますけど

欲求自体が成長して
“行動したくなる”
っていうところまでは

なかなかいきにくいですよね。

＜ナビゲーター：タケちゃん＞
そうすると
本来の欲求を知るってことが
とても大切だということですね。

じゃあ
先ほど少し教えていただいた
本来の欲求というのは

例えば
食べたい、とか
群れを作りたい、とか
仲間に入りたい、とかですよね。

でもその他にも
あるわけですよね。

次回は

この本来の欲求というのは
そもそもどんなものがあるのか
ということについて

詳しく伺いたいと思います。

＜犬飼ターボ＞
はい、そうですね。

あともう一つ
その本来の欲求の”満たし方”も
お話ししたいと思います。

＜ナビゲーター：タケちゃん＞
はい、期待しています。

ではまた次回
ぜひよろしくお願いします。

今日はありがとうございました。

＜犬飼ターボ＞
ありがとうございました。